タイトルなしの物語
「うわぁ…変わってないね!」
そう言って1人の女子が教室に入ってきた。
朱莉と一緒にいるってことは、咲花なんだろう。
「太陽に…紫苑!」
咲花は見事に俺らを当ててみせた。
「そして…瑞恵ちゃん」
「え?」
突然名前を呼ばれた瑞恵は、俺の隣でビクッってなったのが分かった。
「紫苑の彼女なんでしょ?私、咲花。小学校に上がる前に引越しちゃったんだけど、3人の幼馴染」
よろしくね、と瑞恵に右手を差し出した。
「光野と帰らねぇの?」
太陽が咲花に言った。