タイトルなしの物語
scene13<不安の日々に向けて>
「咲花ちゃん戻って来てたの…」
夕食の時、咲花の話をすると、みんな驚いていた。
でも、美春はまだ小さかったから覚えてないみたい。
「うん、でもおじさんとおばさん亡くなったんだって…」
多分私しか聞いてない悲しい事実。
「門田さんが!?」
お父さんもショックみたい。
そりゃあそうだよね…。
「だから今はおばあちゃんと暮らしてるって…」
「じゃあ…」
お母さんが何かを思いついたように声を上げた。
「咲花ちゃんとおばあちゃんをパーティーに招待したら?」
「でもね、咲花は光野くんって子と付き合ってるの」
2人で約束があるかもしれないのに…。