タイトルなしの物語
「お母さん、紫苑だった」
「あら、珍しいじゃない…」
「うん…何か相談みたいだから温かい飲み物いれてくれる?部屋にいるから」
私はそう言って玄関に戻り、紫苑を連れて部屋に向かった。
「太陽も呼ぶ?」
いつも何かあったら3人で話していたから、私は聞いた。
「うん、その方がいい」
紫苑は不安そうな面持ちのまま答えた。
「分かった」
私はそう言って部屋のベランダに出た。
私の部屋と太陽の部屋はベランダで行き来できるほど近い。
だから私は太陽の部屋の窓をノックする。
コンコン…