タイトルなしの物語
ガラッ…
私に気づいた太陽が窓を開けた。
「どうした?」
「うん、今紫苑が来たの。何かあったみたいだから玄関から来てくれる?」
私が言うと、太陽は何かを察したのか、
「分かった」
と頷いて窓を閉めた。
「大丈夫?」
私はさっきからずっと黙っている紫苑に声をかけた。
「大丈夫じゃない…かも」
紫苑がこんなに弱気になってるなんて…。
珍しいにも程がある。
ピンポーン…
「あ、太陽だ」
私は部屋を出て玄関に向かった。