タイトルなしの物語
「あ、朱莉。太陽くんが…」
「うん、私が呼んだの。3人の方が良いから」
お母さんは納得したみたい。
「じゃあはい、ココア」
3つのカップが乗ったトレーを渡された。
「ありがとう。太陽、紫苑部屋にいるから」
「うん」
私と太陽は階段を上がって部屋に入った。
「紫苑?」
太陽も紫苑に心配そうに声をかける。
やっぱり、見た目にも元気ないよね…。
「太陽…こんな時間にごめん」
「そう思ってんなら先に朱莉の部屋に来るな。仮にも俺の彼女だぞ?」
太陽は珍しくおどけて言った。