タイトルなしの物語
「で…咲花のことだろ?」
太陽は本題に入らせた。
「やっぱり…そうなの?」
咲花のことは私も考えていたから…。
「2人には隠せないな…そうだよ。咲花のこと」
紫苑は辛そうに笑った。
「私達は昔の幼馴染だから普通にできるけど…瑞恵は辛いよね?」
「そうなんだよ…今日も様子おかしかったし」
確かに教室では元気なかったけど…。
「帰りに何かあったの?」
「泣いたんだ…瑞恵が」
この言葉には私も太陽もびっくりした。
だって瑞恵の涙はほとんど見たことがない。