タイトルなしの物語


私は瑞恵を追いかけようとして、やめた。


だって昨日3人で決めたもん。


『普通にしよう』って。


だから、今ここで私が瑞恵を追いかけたら変だと思う。


「咲花!おはよ!今日も寒いね?」


普通に普通に…。


私は必死に言い聞かせる。


「ほんと寒いよね?凍りそうだよ」


咲花は普通に返してくれた。


良かった…気づかれてない。


「あ…光野くん来たよ」


私は教室に入って来た光野くんを咲花に見せる。


「あ…行って良い?」


遠慮気味に聞いてきた。


「良いよ」


咲花は「爽(ソウ)~」って言いながら行った。


光野くんって爽って名前なんだ…。


< 131 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop