タイトルなしの物語
私は瑞恵を追いかけようとして、やめた。
だって昨日3人で決めたもん。
『普通にしよう』って。
だから、今ここで私が瑞恵を追いかけたら変だと思う。
「咲花!おはよ!今日も寒いね?」
普通に普通に…。
私は必死に言い聞かせる。
「ほんと寒いよね?凍りそうだよ」
咲花は普通に返してくれた。
良かった…気づかれてない。
「あ…光野くん来たよ」
私は教室に入って来た光野くんを咲花に見せる。
「あ…行って良い?」
遠慮気味に聞いてきた。
「良いよ」
咲花は「爽(ソウ)~」って言いながら行った。
光野くんって爽って名前なんだ…。