タイトルなしの物語


「…朱莉?」


姿は見えてないはずなのに、瑞恵には分かったみたい。


「うん」


「ごめんね?幼馴染にあんな態度…」


いつもと違う涙声の瑞恵。


「ごめんね?友達の、彼氏の幼馴染を大切にできなくて」


いつもと違う弱気な瑞恵。


「ごめんね…?こんな…」


そこで私は遮った。


「何言ってるの?私何も知らないよ?」


そう、瑞恵はただトイレに言っただけ。


別に、何もしてない。


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