タイトルなしの物語
「…朱莉?」
「ん?」
「…ありがと」
瑞恵はそこで、せきを切ったように泣き出した。
こんなに我慢してたんだ。
私こそ、気づけなくてごめんね?
ごめんね?
いつも助けてもらっているのに…。
どうして…幸せだけじゃないんだろうね。
幸せな人と不幸な人が存在するのは…どうして?
どうしてみんなで幸せにはなれないの?
瑞恵はこんなにも頑張っているのに…。
私はこんなにも幸せなのに…。
どうしてなのかな?