タイトルなしの物語


「…大河が春香を探してるよ?」


私が言うと春香は飛びのいた。


「…どうしよぉ」


「何に困ってるの?」


「私…今まで大河にいっぱいひどいこと言ったから」


確かに…。


いっぱい聞いた気がする。


「でもね…大河は高校遠くに行くんだって」


そうだった。


確か、体が弱い子のための全寮制の高校に行くんだっけ?


「そんなの…私嫌だよ。寂しいよ」


「美春…」


今までに見たことがないくらい切ない表情の美春。


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