タイトルなしの物語
「うん…ホテルで言うね」
私を心配そうに見る瑞恵にそう言った。
「おし、着いたぞ」
「おしって何よ…」
紫苑に対して瑞恵からの素早いツッコミが入った。
「そんな言い方ないだろ?」
確かに…私達が喋ってて、太陽は無関心な中、1人で地図と闘ってくれたんだもんね…。
「ごめんね、紫苑」
「は?朱莉に謝られるとか珍しすぎて…」
紫苑はそこまで言って黙った。
瑞恵から無言の攻撃が紫苑に向けられていたから。