タイトルなしの物語


「大河…」


「ん?」


俺は春香の隣に座った。


「高校…別々なんだよね?」


「うん…春香はあっちゃんと兄ちゃんとしーくんと一緒の高校?」


俺と美春は小さい頃から紫苑くんをしーくんと呼んでる。


「受験はまだだけど、そうしたい」


「俺は寮だもんな…」


「…やだな」


俯いてそう言う春香。


「春香…」


「大河と離れるの嫌だから伝えたのに…」


そう言ってまた泣いてしまった。


< 142 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop