タイトルなしの物語
「アシカ!アザラシ!かわいー!」
水族館に着いてからというもの、私は興奮しっぱなし。
「好きだなぁ…」
「うん!大好き!かわいいもん!」
もしかしたら私は周りにいる小学生よりはしゃいでいるかもしれない。
「朱莉…小学生にびっくりされてる」
あ…やっぱり?
太陽が見ているその子は、私をきょとんと見つめていた。
「こんにちは!」
「…」
緊張しているのかな?
「アザラシさんかわいいね?」
私が言うと、にっこり笑った。
かわいい!!
「うん!」
お母さんの元へ戻って行った。