タイトルなしの物語
イルカショーも終わって、水族館を出た俺たち。
今日は本当に楽しかった。
あんなにはしゃいでいる朱莉を見たの久しぶりだったな。
今も朱莉は興奮してしゃべり続けている。
よくこんなに話せるよな…。
俺は少々呆れながらも、朱莉の問いかけに応じる。
「…朱莉」
俺は朱莉を黙らせた。
「太陽?」
朱莉は不思議そうに俺を見上げる。
俺は繋いでいた手を解いた。
「太陽…?」
朱莉は必死に俺の手をとろうとする。
不安なんだろうな…。