タイトルなしの物語
寒さでかじかんだ手を擦り合わせながら教室に入る。
「廊下にも暖房があればいいのに…」
隣の瑞恵はそんなことを言っちゃってる。
廊下に暖房か…。
あったかそうだけど、電気代高そう。
それに、乾燥しちゃうな。
まるで主婦みたいなことを考えてしまう私。
「あ、先生来た」
瑞恵は席に戻って行った。
「ま、校長先生が長々と話してくれたし、もういっか?各自自習!」
相変わらずサバサバとした性格の真木先生。
男子なんて豪快に笑ってるし…。