タイトルなしの物語
もう嫌になっちゃう…。
「朱莉…気にすんなよ?今に始まったことじゃないだろ?」
紫苑の言うことはもっともなんだけど…。
心がチクチクする。
「朱莉…もうすぐ9時半だよ?」
瑞恵の言葉に救われた。
「あ…薬の時間!ありがとう瑞恵!」
私は瑞恵からルームキーを受け取って部屋に一直線。
初めて過呼吸になったあの日から毎晩、同じ薬を飲み続けている。
あれから何度か発作は出たけど、大事には至ってない。
「もういい加減めんどくさいんだけどな…」
私はそう思うけど、今まで1回もサボってない。
太陽が守ってくれたこの命、大切にして精一杯生きたいから。