タイトルなしの物語
「うわぁ…かわいい!」
私は入園してからずっとこんな感じ。
赤ちゃんだろうが大人だろうが鳥だろうがヘビだろうが関係ない。
かわいいんだもん!
「朱莉、そろそろお昼にしようか?」
キタキツネに見入ってた私は、紫苑の声で我に返った。
「え…もしかして私、ずっと無視してた?」
「もしかしなくてもそうだから…」
瑞恵が呆れたように言った。
「ご…ごめんなさい!」
私は慌てて紫苑に謝った。
「別に気にしてないよ?朱莉の動物好きは今に始まったことじゃないだろ?」
うん、やっぱり紫苑の心は広い!
「朱莉…私の彼氏の優しさを利用しないでね?」
瑞恵に笑顔で言われると迫力がある…。
でも、利用なんかしてないからね!