タイトルなしの物語


「ごはんもおいしい…」


この動物園、完璧だよ…。


「ほんと、動物と食べ物好きだよな」


太陽が無表情のまま言った。


「太陽は食べるの嫌い?」


昔はあんなにいっぱい食べてたのに。


「そういうのって好きとか嫌いとか関係あんの?」


私は返事に困った。


「いや…関係ないかもだけど、でも…」


「あ!朱莉、モグモグタイム始まっちゃう!」


口ごもっていた私は、瑞恵の言葉で話すのをやめてごはんの残りを平らげた。


「朱莉…こっちこっち」


瑞恵の案内でホッキョクグマの所にダッシュ。


だって…今からホッキョクグマのごはん食べる姿が見られるんだよ?


これを見逃したら私、一生後悔する。






< 42 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop