タイトルなしの物語
「ごはんもおいしい…」
この動物園、完璧だよ…。
「ほんと、動物と食べ物好きだよな」
太陽が無表情のまま言った。
「太陽は食べるの嫌い?」
昔はあんなにいっぱい食べてたのに。
「そういうのって好きとか嫌いとか関係あんの?」
私は返事に困った。
「いや…関係ないかもだけど、でも…」
「あ!朱莉、モグモグタイム始まっちゃう!」
口ごもっていた私は、瑞恵の言葉で話すのをやめてごはんの残りを平らげた。
「朱莉…こっちこっち」
瑞恵の案内でホッキョクグマの所にダッシュ。
だって…今からホッキョクグマのごはん食べる姿が見られるんだよ?
これを見逃したら私、一生後悔する。