タイトルなしの物語


「檜垣さん、後で係のことで話したいことがあるからロビーに来てくれる?」


夕食の時、私と一緒に美化係をしている光野(ミツノ)くんに話しかけられた。


「うん…食べたら行くね?」


私はそう返事してテーブルの上にある食べ物を1つ1つ片付けていく。


うん、やっぱり何でもおいしい!


「光野、どうかしたの?」


サラダを取りにいってた瑞恵が、光野くんの背中を追いかけながら言った。


「うん、係のことだって」


私が言うと、何故か瑞恵は顔をしかめた。


「でも、他のクラスは何も…」


「私たちだけなんじゃない?ほら、私たちって何かと雑用多いでしょ?」


私が言うと、瑞恵は渋々納得したように頷いた。


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