タイトルなしの物語
「檜垣さんが…好きなんだ」
光野くんはしっかりと私の目を見て言った。
「え…」
「ずっと…入学した時から好きなんだ」
光野くんは編入生だから…高1からってこと?
「困るとは思うけど、聞いて欲しかったんだ」
顔を真っ赤にしながら言う光野くんは、すごく勇気を振り絞ってるんだと思う。
でも…私は光野くんの気持ちに応えられない。
「ごめんなさい…私…」
私だって告白されるの始めてだから、何て言ったらいいのか分からない。
「いや…謝らないでよ」
光野くんは申し訳なさそうに、でもやっぱり爽やかに言った。
「でもその代わり…キスさせて?」
私が驚きすぎて何も言えないでいるのをYesと取ったのか、光野くんの顔がどんどん近づいてきた。