タイトルなしの物語
コンコン…
「あれ?瑞恵?どうした?」
ドアを開けた紫苑は驚いていた。
私が泣いていたから。
「…朱莉が…」
「ん?朱莉がどうかした?」
紫苑は優しく聞いてくれる。
「呼吸が変で…太陽が紫苑を…呼んでって」
私がやっとのことで伝えると、ルームキーを持って来てドアを閉め、私の手を引いて歩き出した。
「瑞恵…大丈夫だからな?朱莉は」
紫苑は私の思っていることをしっかりと分かってくれている。
「うん…」