タイトルなしの物語
「へぇ…オルゴールとか興味あんの?」
私の心臓は飛び上がった。
と言うより、電気ショックを与えられた。
だってそれは、私の大好きな人の声だったから…。
「太陽…」
そう、彼の名前は日野 太陽(ヒノ タイヨウ)。
「俺が話しかけると嫌な訳?」
私達は中学1年生の頃からずっとこんな感じ。
見た目は成長しても、中身は全然成長していない。
「そんなこと言ってないでしょ?自分こそ彼女ほっといて良いの?」
私はいつものようにぶっきらぼうに言い返した。
「かわいくねぇ奴」
分かってる。どうせかわいくないもん。