タイトルなしの物語


「夕食の時、光野に係のことで話があるって呼ばれてた」


私が言うと、太陽はハッとした表情をした。


「太陽?何か知ってんのか?」


「ロビーに行こうとしたら光野とぶつかって…」


光野が何かしたってこと?


「俺…光野と話してくる」


「待てよ太陽…聞いてもどうにもならないだろ?」


紫苑がなだめて太陽は再び椅子に座った。


「でも…光野が何かしたってこと?」


「瑞恵…朱莉から始めて過呼吸になった時のことって聞いた?」


「ううん…発作が出るって聞いたことはあるけど、実際の話は聞いてない」


太陽も紫苑も顔が曇っている。


「小6の時、3人で地域のプールに行ったんだ」


紫苑が話し始めた。


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