タイトルなしの物語
太陽が言った言葉で、私は思い出した。
そっか…私光野くんに告白されて…。
「何があった?」
太陽が手を握って優しく聞いてくれる。
まるで前の太陽に戻ったみたい。
「…私っ」
また呼吸がおかしくなる…!
私はポケットに手を入れた。
ない…紙袋がない。
いつもポケットに入れてるのに…。
私は混乱した。
「…落ち着け。袋はある」
どこから持ってきたのか、太陽が紙袋で私の鼻と口を覆った。
そして大きなあったかい手で私の背中をゆっくりさすってくれた。
「大丈夫だから…」
何度も何度もそう言ってくれて、私の呼吸も次第に落ち着いた。