タイトルなしの物語


「ありがと…大丈夫」


私はそっと太陽の手を外した。


「私…夕食のあと、ロビーに行ったの」


私はさっきの出来事を話し始めた。


「光野くんに呼ばれていたの。係の仕事だって…」


「うん」


「そしたら嘘だって言われたの。係の仕事なんかじゃないって…」


「うん」


「そしてね…」


「うん」


「…告白されたの」


私の目からはまた涙が流れた。


「…うん」


< 54 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop