タイトルなしの物語
「俺、今彼女いないし」
「え…いないの?」
平静を装ったけど、心の中は大忙し。
「太陽はただいまフリー!」と報道された号外が配られている。
「へぇ…太陽にもそんな時期があるんだ」
半分皮肉、半分嬉しさ隠し。
「紫苑見た?」
なんだ…そういう用事だったんだ。
私は少しだけがっかりした。
「瑞恵と一緒に下にいるよ。あまりにもラブラブなんだもん」
私はいつもそう。
余計なことまで喋ってしまう。