タイトルなしの物語
scene6<太陽の意味>
赤ちゃんの頃から一緒にいた俺たちは、もちろん幼稚園も一緒だった。
でも、とにかく俺は笑わない子どもだった。
「太陽はどうして笑わないの?」
ある日、いつものように3人で遊んでいたときだった。
朱莉が俺に聞いたんだ。
「僕も気になる!」
紫苑も朱莉に賛成した。
「え?笑う?」
正直、俺には笑うって言葉の意味が分からなかった。
「うん!ほら、これ!」
そう言って、朱莉は紫苑と目を合わせて笑顔を作った。
「それが…笑うってこと?」