タイトルなしの物語
scene7<昔の2人に…>
『もしもし?』
「もしもし、お母さん?私…朱莉」
『朱莉?どうしたの?』
「うん…もう大丈夫だけど、発作が出たの。私続けたいし、先生もいいって言ってくれてるんだけど…」
『どうせ続けるんでしょ?気をつけてよ?』
やっぱりお母さんは私のことをよく分かってる。
「うん…ごめんなさい。それで…」
私は春香のことを聞こうとした。
『ん?どうしたの?』
でも、やっぱり聞けない。
「ううん、何でもないの。先生から電話借りてるからもう切るね?」
『ちゃんとお礼言ってよ?』
そう言ってお母さんは電話を切った。