タイトルなしの物語
「朱莉…もういいの?」
外に出ると紫苑と瑞恵がいて、心配そうな顔をしていた。
「うん!もう大丈夫!ごめんね?」
瑞恵なんて泣きそうな顔しちゃってる。
「ううん…いいの」
そう言って俯いちゃった。
「…瑞恵。大丈夫だよ?私はここにいるから」
私は瑞恵の手を握ってそう言った。
でも瑞恵は頷くことが精一杯みたいだった。
「あ…」
また紙袋終わっちゃった…。
「ん?ああ…あるし」
太陽はそう言ってポケットから2枚の紙袋を取り出した。
「え…太陽、それいつの間に…」
「ここの看護婦さんに貰った」
そうだったんだ…。