タイトルなしの物語
scene8<ありふれた日常>
『2人やっとくっついたの?』
『いやぁ…それはめでたい』
『遅かったわね~』
修学旅行が終わってからというもの、私と太陽が付き合っているという噂が学校中に広がった。
ま、事実だから良いんだけどね?
太陽はあんなのに好きな人が多い。
「おい…今あんなのって思わなかったか?」
うん、うそ。
こんなに良い人いないと思うよ?
「何で?太陽っていつも人のことが分かるの?」
そのくせ私の気持ちは知らなかったんだから…。
「は?朱莉は表情に出すぎなんだよ」
いやいや…私、そんなつもり全くないですから。
「ほら、そんなつもり全くないって顔に出てる」
うそだぁ…。