タイトルなしの物語
「何が無理だ…大丈夫。前に来なさい」
私は先生の呆れた声に負けた。
「…はい」
私は重い足を無理やり動かして教室の前に行った。
「この公式に当てはめて考えろ」
そう言って公式を棒で指す先生。
どこに何を当てはめるのか分かりません…。
どうしよう。
みんなはこっち見てるし…。
「先生…本当に分かりません」
「席に戻れ…」
先生はため息をついてそう言った。
だって私、算数の時代から苦手なんだもん。
こんどは数学のできる子が当てられて、スラスラ解いてる。
先生も満足そうだなぁ…。