タイトルなしの物語
「怒ってないよ?だって、事実なんだろ?」
太陽笑ってるけど…目が笑ってない。
「ち…違うの!太陽と一緒が嫌なんじゃなくて…」
私はそこまで言って、教室に残っている数人のクラスメイトの視線に気がついた。
「その…」
興奮して立ち上がっていた私は、視線を足元に落とした。
「だから…」
「緊張しちゃうんだよね?」
今の声は瑞恵。
「…そうなのか?」
「うん…緊張しちゃって…どうしたら良いか分からなくなる」
私はやっと自分の気持ちを伝えた。
私たちに視線を向けていたクラスメイトは、何故かにやにやしていた。
「んじゃ、帰るか!紫苑ももうすぐ来るから」
太陽は瑞恵に言って鞄を持った。
「うん、ありがとう」
「バイバイ、瑞恵。また明日ね」
「じゃーな」
「バイバイ…」
瑞恵も私たちに笑顔で返した。