tea
葵ちゃんは昔からすごかった。
すごかったって言うのは本当に完璧ってことで、勉強はもちろんあたしよりできた。
得意不得意の激しいあたしなんかと違ってスポーツも万能。
とっても優しくて、顔立ちもすごくキレイなのにそういうことを鼻にかけるようなことはしなくて、いつもクールにしてた。

あんまり感情が顔にでないからみんなからちょっと孤立した存在だったけど、ほんとはみんな葵ちゃんに注目してて、そばにいるあたしはなんだか気分がよかった。

あたし自身が妬んだり対抗意識を燃やしたりすることは、ほとんど…うぅん全くなくて、いつも尊敬してた。
それは今もおんなじで、会う度ステキになってく葵ちゃんを見てるとそんな嫉妬とか対抗なんかとは違う、もっともっと別の感情で胸がいっぱいになる…。

でもそれは私にもなんだかよくわからない、正体不明のものなんだよね…。
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