tea
やっぱり葵ちゃんはあたしなんかよりずっとずっと上の人なんだ。
子供心にもあたしはそんなことを思ったんだ。



ふと電車の座席に目をやると、小麦色の肌をした女子高生3人がきゃぴきゃぴと騒いでた。

あーゆー人たちを非難するつもりはないけど、あたしは好きじゃないな。
あたしが男の子だったら葵ちゃんみたいな女の子がいいなっ。


そういえば…優斗くんはどんな女の子が好きなのかなぁ…あんまり聞いたことないからわかんないやぁ。
でもまさかあの子たちみたいな…なーんてあるわけないって。


優斗くんは優斗くんは…


なんて一人で考えてたら顔が熱くなってくのが分かって、思わず両手で顔を覆う。
端から見たらきっとあたし怪しい人だよぉ…


アナウンスで優斗くんの大学の駅が次だとわかると、あたしは気を取り直して鏡を手に、ピンクのグロスを塗り直した。

携帯を開いて優斗くんにメールを送って…っと、これでよし。

あたしは乗るときとは違って、今度は軽快に電車を降りた。
< 17 / 55 >

この作品をシェア

pagetop