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｢私もね高校まではバスケやってたんだけどね。もう小中高ってバスケ一色って感じで、髪の毛も男の子みたいに短くてさぁ…｣


そう話す彼女の横顔はなんだか寂しげで、私はどうしてやめてしまったのかという疑問を口には出さずに胸の中にしまいこんだ。
でも彼女は微笑むとその理由を自分から語り始めた。


｢靭帯を切っちゃったの…高３の春にね…。日常生活を送るのに支障はないんだけど、またバスケやるにはちょっと難しいかな…｣


｢………すみません…｣


あたしはとりあえず謝ることしかできなかった。
その謝罪はもちろんそんなつらいことを話させちゃったこともそうなんだけど、今まで男の子好きなマネージャーさんだと思ってたから…
優斗くんのこともあったしね…


｢やだーっそんな気にしないで！あれは自業自得みたいなもんだし…ごめんね、桜ちゃん｣


私の顔色を見て、彼女は弁解をする。
それでもあたしがずっと罰が悪そうな顔をしてたからかな、綺麗に切り揃えられた彼女の手がさっと私の前に現れた。