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「私、高野真梨。自己紹介まだだったよね?」


「あ…改めてまして渡辺桜です」


あまりにぎこちない紹介に無性に笑えてきて、私はこらえきれずに吹き出してしまった。
真ん中の真に、梨だからって主張しながら、真梨さんも笑ってた。


右にも左にもビルみたいな大きな建物、さらにコンビニ、美容院までもがひとつのキャンパス内にあり、高校や中学とのあまりの違いにびっくりした。


自販機の前で何やらダンスしてる人
真剣に掲示板を見てる人
フェンスごしに応援している人
木陰のベンチに座るカップル


あたしはなんだかそんな光景にうっとりしちゃった。
優斗くんとこうして一瞬のキャンパスライフが送れたら幸せだろーなぁ…
そうだ…真梨さんは優斗くんとここで一瞬に過ごしてるんだ…週に3回は練習あるみたいだし、もしかしたらあたしより長い時間一緒にいれるのかも…

やっぱり一緒の大学がよかったなぁ…

はぁっとため息をつくと、なんだか幸せが逃げてく気がして、余計悲しくなるあたし。
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