tea
なんだかこんな熱くなってる優斗くんを見るのは初めて、いつものクールな優斗くんは別の人みたい。

ずっとずっと見てたいな…

「ぴぴー!!!」


甲高い笛の音で試合は終わっちゃった。

あーあぁ、あたしってついてないなぁ…

その試合が今日の最後の練習メニューだったみたいで、挨拶が終わると急に何人かの男の人たちがこっちに走ってきた。


「ねぇねぇどこの学科の子?」


「サークル入ってないならマネやってよー」


あまりに急な出来事だったから、あたしは驚きと恥ずかしさで顔が真っ赤になってパニクっちゃって…


「こーら、俺の妹に手出してんなよー」


優斗くんの声が聞こえてホッとする。


「なんだぁー渡辺の妹かよっ」


みんなはぞろぞろと去っていって、やっと優斗くんの姿が見えた。
優斗くんもあたしを見つけるといつもの優しい優しい笑顔をあたしに向けてくれた。
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