tea
ママとパパが嫌いとか二人を恨んでるとか、そんな気持ちはまったくない。

けど、どうして、あんなに幸せそうだったのにどうしてこんな風になっちゃったのか、あたしにはわかんないよ…

パパたちからそのことを聞かされたとき、あたしは久しぶりに葵ちゃんと一緒のベットで寝た。


「夫婦が別れるってことはきっとその二人にしかわからない“なにか”があるんだよ」


葵ちゃんはそれでも嫌だ嫌だって泣きじゃくるあたしの頭を優しくなでてくれたんだ。
気がつくとあたしは眠ってた。

そして次の日の朝、葵ちゃんはバラバラになろうって言った。
私たちがパパとママを支えなきゃって。

信じられなかった。

パパとママが別れてもあたしたちだけはずっとずっと一緒だと思ってたのに…


「葵ちゃんはあたしのこといらなくなっちゃったの…?」


現実を受け止められなくて、思わずそれを口にしちゃった後、あたしは今までにないぐらい後悔した。

寂しそうに切なそうに、だけど穏やかに微笑む葵ちゃんの目には涙がいっぱい。
そして昨日の夜みたいにあたしの頭をなでようと手をのばしてきた。
だけど昨日と違って、その手は小刻みに震えていた…。
< 25 / 55 >

この作品をシェア

pagetop