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あたしは葵ちゃんに抱き着いた。
ただただあたしの気持ちを伝えたくて、そんな顔してほしくなくて、無我夢中で力いっぱい葵ちゃんを抱きしめた。



葵ちゃんごめんね、ごめんね、本当にごめんね
大好きなの、あたしは葵ちゃんのことが大好きで大好きでしかたなくて、離れたくなかったの

パパもママも大好きだし、二人とも離れたくない

けど葵ちゃんと離れるのはもっと嫌なの

それにね葵ちゃんがあたしのこと大好きなのも、とっても大切にしてくれてることもほんとは全部ちゃんと分かってるの


だから葵ちゃん、そんな顔しないで…



あたしはより一層力強く葵ちゃんを抱きしめた。


葵ちゃんはやっぱり優しい。
ぜんぶ分かってるよって言ってくれてるみたいに、あたしの背中をぽんぽんってたたいてくれた。

もう一度顔をあげて葵ちゃんを見た時、葵ちゃんはまたいつもみたいに優しく微笑んでた。

あたしも葵ちゃんを見て笑った。
葵ちゃんに負けないように、心配かけないように、いっぱいいっぱい笑った。
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