tea
「今日の夕飯なにかなー」


優斗くんの声で我に返った。

そしてまた罪悪感…
あたしってやっぱり最悪だ…
夜電話してみようっ

そう決めることで、なんとか気持ちを落ち着かせる。


「そういえば真梨に会ったんだってね?どうだった?」


「んーと…感じのいい人だったなぁ…仲良いんだってね?」


優斗くんの唐突な質問に驚きながらも、あたしはちょっと嫌味っぽく聞き返してみる。


「桜と俺の方が仲良いって」


そう言ってにこって笑うと、優斗くんはあたしの頭をなでる。


今のは反則だって〜
かっこよすぎだよぉ…


あたしの体温は一気に急上昇。
顔はきっと林檎みたいに真っ赤なはず。



大きくはないのに印象的な目にちょうどいい高さの鼻、ちょっと痩せ気味の頬に、形の整った口。

好きな人ってどうしてこんなにかっこよく見えちゃうんだろ…なんか、好きな人ってだけで特別にしちゃうのはあたしだけかな…

今は義理の妹って立場だけど……それでも優斗くんにとって特別な存在になれるなら、あたしは完璧な妹を演じ続けるからね。


ほんとは寂しいけど1番なら今はそれでじゅーぶんっ。
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