tea

“愛してる”

通い慣れた道を少し歩くと小さな酒屋さんがあって、そこを左折してすぐに3階建てのマンションがある。
エントランスを通って階段を2階、3階とあがって、北側通路の奥から2番目が達也の部屋。
覚えきった番号を押すとピピピッといって鍵があく。

少し乾燥した部屋に達也の寝息だけが聞こえた。

もう…換気しなきゃダメなのに…そう思いバルコニーの前のドアを半分あけた。
買ってきたスポーツドリンクを冷蔵庫に入れて、お粥を作る。
お鍋に火をかけたところで、タオルをしぼって達也のもとへ向かう。


熱はどれくらいあるのかな…


ガバッ


かがみこんでおでこに手をあてようとしたら、急に引っ張られてそのまま抱きしめられた。
汗で湿った達也の肌が熱いのが分かる。


「なんで最初に俺のとこ来てくれないの…?」


そう言うと私の頭を引き寄せて唇を奪う。
達也の唇はかなり熱くて、私まで熱くなったような感じだった。
何回も角度を変えてキスをしてくる達也に目を閉じて対応していた。

でも…今日はなんだか違う…熱いとかそんなんじゃなくて、達也がおかしい。

そんなこと思ってたら達也の舌があたしの口を割って入ってきた。
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