tea
体がまた上気したのがすぐに分かった。
そんな私の反応を楽しむかのように、達也は私を挑戦的な瞳で見つめてる。
達也は絶対私のこと楽しんでるだけなんだ…


「もう〜〜!!!」


困った私は思わず大きな声をあげてしまった。
でも今度の達也は怒るでも唇を奪うでもなく、私をぎゅーっと抱きしめてきた。
耳元で達也の笑ってる声が聞こえる。


「やっぱり葵からかうのは楽しーやっ」


普段あまり感情を出さない私にとって、こうやって他人の言動で顔を赤らめるのはかなり珍しいこと。
達也はそういうのを全部分かっててやってる。

別に嫌な気持ちになるわけじゃない…むしろこんなやり取りはなんだか楽しい気さえするから。


でもこの違和感はなんなんだろう…


ふと達也と目があったところでお粥のことを思い出した私は、パタパタと台所まで走ってく。

味は…うん、こんなもんかな。風邪だから薄味の方がいいもんね。
達也が風邪だなんて言うから心配しちゃったけど、そんなにひどくないみたいで良かった。


「あ〜お〜いっ」


名前を呼ばれると同時に腰の辺りに手をまわされて、一瞬体がビクッとした。
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