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「葵はもっと太った方がいいんじゃね?まぁ、胸とかはこのままで申し分ないないけど……痛っ」


そんな冗談を言いながら上がってくる手をパチンと叩くと、達也がまた文句を言ってるのが聞こえる。


「病人は大人しく寝てなさい。」


渋々戻って行く達也を横目に、私はお粥をすくって大きめのお茶碗によそる。

別に恋人…達也との体の関係が好きじゃないとかしたくないとかじゃないんだよね。
達也のことはやっぱり大切。

いつも元気なとこ。
何事にも一生懸命なとこ。
人望が厚いとこ。
意見をしっかり言えるとこ。
一緒にいると楽しくさせてくれるとこ。
ちょっと強引なとこ。


数えだしたらきりがない。
それぐらい本当に達也は人としてすごいと思う。


まだ付き合って1、2、3…4ヶ月ぐらいだけど、一緒にいた毎日はとっても楽しかった。
達也が私のこと大切にしてくれて、気遣かってくれて、私は本当に恵まれた彼女だと思う。

はたから見ればなんにも問題がない私たち。

でも大きな大きな問題がひとつだけあって、それは日に日に増していく。




私が、達也のことを愛していないこと。
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