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そんなママを横目に、あたしはチャンネルを変えようとリモコンに手を伸ばした。


「あー、今いいとこだから変えちゃダメだって」


テレビを見るとどうやらそれは歌番組みたい。
ゲストと司会者のやり取りに笑う優斗くんを見て、あたしの頭の中にいじわるな考えが浮かんだ。


「お兄ちゃんは葵ちゃんと話さないの〜?」


するとテレビ画面を見たまま動きが止まったのがわかった。きっと内心では焦ってるんだろうなぁ…。
そしてちょっとクールぶった優斗くんが答えた。


「俺はいいや」


あたしも引かずに続ける。


「葵ちゃんもお兄ちゃんと話したがってたよぉ?…もしかして、お兄ちゃん恥ずかしいの??」


今度はあからさまに動揺し始める優斗くん。
さっきまでは変えちゃダメって言ってたチャンネルを、今度は自分で変えたりしてる。
いつもは見ない時代劇なんて見てるし…。

あたしの中の、好きな子をいじめたい小学生みたいな心がうずく。


「あっれ〜??やっぱり恥ずかしいんだぁ…お兄ちゃんはシャイですねぇ」


すると優斗くんがさっとこっちを見た。
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