tea
今度は赤くなった顔にちょっと真剣な目をしていた。


「それ……ほんと…?」


それ…?
あぁ、葵ちゃんが話したがってるってことかぁ。
本当はそんなこと言ってなかったけど、この際だからなんでもいーや!!


「ほんとだよ。今日言ってたもんっ」


そしたらちょっと驚いて、今度はなにやら考え始めたみたい。
まるでう〜んって声が聞こえてくるんじゃないかってぐらいに。

太一パパに似てちょっとぶっきらぼうなのに、こうやってちゃんと考えてくれるところがすごく好き。
本当はからかっただけなのに…。

でも優斗くんのこの優しさをこんな近くで感じられるあたしは相当な幸せ者だなぁ…。


「…香織さん、終わったら代わって」


そう言い放つと優斗くんはまたテレビ画面に目を向けて、時代劇から歌番組にチャンネルを戻してた。


それにしても、葵ちゃんと優斗くんの会話とかかなり聞いてみたいよっ!!
お互い遠慮して絶対に会話進まないもん。



…って思ってたのに、あたしはママに言われて明日までに提出のプリントを取りに自分の部屋まで来てる。
こんなことなら昨日渡しとけばよかったぁ…。
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