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第2章 新しい世界

分かれ道

2月26日火曜日

いよいよ今日がやってきた。


『国公立大学入学選抜試験前期日程』



お父さんと夏美さん、そして大地からもらった五角鉛筆をかばんに入れて、お母さんからもらった手袋を手にはめる。
制服のポケットには桜がくれた手作りのお守り。


うん、大丈夫。


私は自分にそう言い聞かせると、家を出た。
この前の私立の試験のときは雪で大変だったけど、今日はそんなこともなく無事に行けそう。

この2、3ヶ月は自分でも驚くぐらい本当に勉強した。
もともと真面目だったけど、さらに机に向かう時間が増えた。
夜遅く帰って来たお父さんに心配されるぐらいだったしね。


なんかもう、勉強してなきゃ落ち着かなくて無我夢中だったんだ。


達也はもともと私立志望だったから、ひと足早く進路を決めててちょっとうらやましかった。
達也が行く大学はもともと私が志望してたところで、特に文系科目に力を置いている大学だ。

私は併願でその大学になんとか合格して、とりあえずの道を確保してある。

おかげでちょっとほっとしてたりして…



でも今日が本当の勝負の日。
頑張らなくちゃ……
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