tea
「私も達也くんみたいな彼氏が欲しいなぁ」


そう言ってケーキを頬張る桜を見て、私はきっとお似合いだと思った。
でも口では全く別の言葉を返す。


「桜には優斗くんがいるでしょ」


「………」



恥ずかしそうに俯く桜にはやっぱり可愛くて、それからも赤くなってお兄ちゃんとの最近の出来事を語ってくれる。

この前遊園地に連れてってもらったとか、最近帰りが遅いとか、二人で映画を見たときにラブシーンがあって気まずかったとか…
とりあえず仲がいいのは確かだ。


「でもね、やっぱりあのマネさんはお兄ちゃんのことが好きだと思うのっ。昨日も電話かかってきてたし…用があるならメールで済ませろって感じでしょ!?」


そうムキになる桜はやっぱりお兄ちゃんのことが大好きなようだ。


「はぁぁ〜こんなことならやっぱり桜もお兄ちゃんと同じ大学に行けばよかった…」


悲しそうにつぶやく桜。

私みたいに一般入試を受ける人がこんなセリフ聞いたら怒るってば。

私はこれからもっと英語の勉強をしたくて、少しハイレベルな語学系の大学を受験する。
桜は昔から陸上、特に短距離が得意で、スポーツが盛んな体育大学への推薦が決まっていた。
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