猫が好き!
「本当に分かってないの? あいつにさえ、あっさり見破られたのに。それとも、はぐらかしてる? 僕、何度も言ったよね。真純さんが好きなんだよ」
「……信用できない」
真純は目を逸らして俯いた。
確かに何度か、好きだと言われた。
今聞いた話も辻褄は合っている。
けれどシンヤのやってきた事は犯罪だ。
冷蔵庫を開けるのは断るくせに、パソコンは黙って犯罪に利用する。
何が本当で何がウソなのか判別できない。
本当は嬉しいはずの真面目な告白を、真純は素直に喜べないでいた。
考え込んでいると、目の前で声がした。
「信用しなくていいよ。分かってくれるだけで」
顔を上げると、目の前の床にひざ立ちで、シンヤが微笑みながら見つめていた。