猫が好き!
ところが情報システム部に限り、年齢学歴不問で、随時中途採用を受け付けている事を知った。
ハルコは情報システム部にいるはずだ。
当てにならない新卒枠を狙うより、実力と業務経験を身につけて、中途採用枠を狙おうと、進弥は高卒で小さなソフトハウスに入社した。
その会社は主に地元企業のシステム開発を請け負う傍ら、自社独自のパッケージソフトの開発にも力を入れていた。
企業の請負だけでは、景気が悪化した時、会社が傾く危険性があるからだと社長は言う。
コンピュータシステム開発の発注は、企業にとって設備投資だ。
国の制度や政策の変更でやむを得ない場合を除いては、会社の経営状態に余裕がある時にしか、資金は投じたくないものだ。
不景気になれば、ソフトハウスは、モロに煽りを食らう。
不景気のダメージを軽減するため、会社は一般ユーザ向けのパッケージソフトを開発する事にしたらしい。
進弥は入社三年目の先輩に指導を受けながら、プログラムの製造を行っていた。
プログラミングの知識は元々あったが、チームでのシステム開発の手順や業務知識など、学ぶ事は多い。
一歩一歩ハルコに近付いているのだと思うと、仕事が楽しかった。