猫が好き!


「あんた、見捨てられたのかもな。あいつ、元々犯罪者だし」


 こんな事をしているおまえも、十分犯罪者だ、と口が塞がれていなければ言ってやりたいところだ。


「もっと過激な写真を送ってやればよかったかな」


 そう言って男は、真純に手を伸ばしてきた。

「うーっ!」とうなって、真純は咄嗟に足を振り上げた。
 その反動で、椅子が後ろに傾く。


「あ、バカッ……!」


 男が捕まえようとした時にはすでに遅く、真純は椅子ごと後ろに倒れ、思い切り後頭部を床にぶつけた。
 椅子と床に挟まれて、腕も痛い。


「あーあ」

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